2020年10月9日金曜日

【登山】岩手山登山 その6 はじめての山小屋泊

はじめての山小屋泊

まさかの深夜2時に起床しました。御来光は起床時の体調次第にしていたのですが気付けのおかげか絶好調。3時まで寝袋の中で予定を考えモーニングコーヒータイム☕せっかく防寒具も持ってきたのでウォーミングアップ散歩がてら山頂へ行くことにしました。そのための腹ごしらえで朝食の支度をはじめました。

お湯が沸いたので麺を折らずに入れ、半分柔らかくなりはじめた所で四角いまま取り出して反対側をお湯に浸します。そうすると長いまま麺が茹で上がるのは子供の頃に覚えた調理法です。

持ってきた乾燥わけぎと海苔、行動食にもなる常温保存可のササミタンドリーチキンをチャーシュー代わりにしてヤックス限定サッポロ一番竹岡式ラーメンの完成🍜美味しかったし体も温まりました。

持ってきた粉末緑茶で食後のグリーンティータイム🍵お湯の沸騰で自然と混ざるのでそのタイミングで入れたらまさかの抹茶のようになりました。普通の緑茶の味でしたけどね。美味しかったです。

日の出時刻は5:15頃。寒くて長居はしたくなかったのでギリギリに出立したらお鉢に出るのがやっとの時間でした。ただご覧の通りの真っ白。山頂標へは前日に行っているのでここで粘ってみる事にしました。

日の出時間が過ぎるも雲の中。諦めて下山しようとしたところ切れて盛岡市内が見えました。おそらく岩手山頂に雲がかかった状態だったのでしょうね。御来光は見られませんでしたが神秘的な朝の景色が見られたのは大収穫でした。

お鉢もクッキリ見えるようになりました。どうしても夜明けは日光による気温上昇と湿度変化が激しいので難しいんですよね。時間は5:20。登山計画では八合目避難小屋を4時に出立して御来光お鉢巡りをして鬼ヶ城(おにがしろ)に向かう予定だったので狂いが生じていました。

日もだいぶ上りましたがやはり雲で見えませんでした。残念無念。

八合目避難小屋と九合目不動平(ふどうだいら)避難小屋とを結ぶ登山路なのですがこちらもヤブの道。軽装なら10分そこそこなので散歩にはちょうどよいのですが。

前日の予定変更の時間の関係で撮影できなかった八合目避難小屋を散歩帰りに撮影しました。避難小屋ですが非常に大きいですよね。元測候所なんだとか。だから水場もあるようです。

御成清水(おなりしみず)と呼ばれる岩手山八合目避難小屋名物の湧き水です。もちろんそのまま飲んでも平気でとても美味しいです。山小屋なのに水が使いたい放題の場所はとても珍しくヤマメシもそれを見越しての物でした。初めてなのに贅沢です。

ふと山小屋を見るとソーラーパネルが付いていました。訪れた時は窓かと思いました。小型のガソリン発電機もあるのですが燃料運搬コストを考えるとハイブリッド発電が良いのでしょうね。

受付時に保留していた下山コースを予定通り鬼ヶ城(おにがしろ)ルートに決めてチェックアウト。時間は6:40です。御成清水(おなりしみず)でこの日の飲料水を水筒とパックそれぞれに合計2L近く頂き出立しました。

岩手山頂をバックに八合目避難小屋を撮影📷
お世話になりました。ありがとうございました。

九合目不動平(ふどうだいら)に戻ってきました。予定時間を過ぎていましたが不思議と焦りはありません。

多分、鬼ヶ城(おにがしろ)コースを越えられるのか?という不安があったからでしょうね。楽しみでもあったのですがプチ高所恐怖症なので焦らず慎重にです。

九合目不動平(ふどうだいら)避難小屋のすぐ脇に鬼ヶ城(おにがしろ)へ向かう登山路があります。これは前日訪れた時に確認済み。初めて来るとわかりにくいかもしれません。時間は7:00。予定では6:00通過だったので1時間遅れでした。

登りはじめて振り返ると山頂と八合目避難小屋が一望できました。開けた場所で綺麗ですよね。

左の下りが御神坂(おみさか)コースで、右の上りが鬼ヶ城(おにがしろ)コースの分岐点です。御神坂(おみさか)コースを下るのが早いですが、路線バスが無いのでさらに9kmほど歩いて小岩井農場からバスになります。

雫石を眺めて気分転換。ネットで調べてはあるもののドキドキです。自分の経験技術で乗り越えられるのかどうか。

恐怖👹鬼ヶ城(おにがしろ)コース

かなりな急勾配でしたがトレッキングポールのおかげで無事上りきりました。
ついにやってきた鬼ヶ城(おにがしろ)。鬼が出るか天狗が出るか。はたまた落ちてあの世行きか。ドキドキです。

心拍数は急上昇💕
それを紛らわせるように山頂と九合目不動平(ふどうだいら)避難小屋を撮影しました📷

牙を向きはじめた鬼ヶ城(おにがしろ)。岩場までやってきました。
この時はまだ素手でトレッキングポールを握っていられました。

岩場を越えるとトラバースと呼ばれる斜面を横切るように通された登山路が見えました。バランスを崩して崖側に行けば落ちますので出来る限り山側を歩きます。

左右どちらも崖の尾根道。こうなるとバランスを崩さないように中央を歩かなくてはなりません。地面も砂利で滑りやすいですから一歩一歩確実に。

岩手山頂が見えました。前日はあちら側から見てたんですよね。ヤブに覆われて登山路は見えません。

花が開いたりんどうです。こんな場所でも自生してるんですね。自分の安全確保が最優先ですが、出来る限り踏み荒らさないようにしながら進みました。

登山路が視界から突然消え黄色い矢印が下方向に。最初の難所に差し掛かりました。

ルート確認のため覗き込みました。絶壁です。トレッキングポールを手にしては無理だったのでザックに仕舞って進むことにしました。心拍数も急上昇。動悸(どうき)で力が抜ける感覚もあったので深呼吸をして慎重に下りました。

無事降りられました。スマホを持って撮影する手も震え気味。恐怖に飲まれないよう登山に集中するのみです。

先程の崖を経験するとトラバースの恐怖が嘘のように消えてました。とはいえ、油断すれば落ちますから適度な緊張感をキープしながら進みました。

滑落事故は意外と何でも無い所で起こると言われます。まさにその場所だと思って撮影しました。砂利の地面で滑りやすく体力消耗した登り側なら危ないような場所です。私は下りで気力体力十分ですから慎重に進みます。

赤茶けた岩肌に見覚えがありました。お花畑コースから見上げた場所です。裏側はこうなってるんだなぁと思いながら歩いてました。

トラバースの中でも非常に細い場所。下り方向なので非常に滑りやすいです。

稜線からの綺麗な景色。恐怖の気を紛らわせるにはちょうどよかったです。

再び難所が現れました。今度は岩と岩の間を抜ける道。足場を左右の岩。手と足を突っ張りながら下ります。鬼ヶ城(おにがしろ)名物のようですが、このルートを切り開いた方はほんとにクレイジーです。

無事抜けるもドキドキで振り返り撮影することを忘れていて少し離れた場所から撮りました📷
ザックを岩にぶつけながら降りたので損傷がないか心配でしたが、おろせる場所も無かったので進みました。

適当な休憩場所があったのでザックを降ろしました。岩に擦った所も無事でした🎒 御苗代湖(おなわしろこ)が見えました。御釜湖(おかまこ)は見えません。多分森の中なのでしょうね。

鬼ヶ城(おにがしろ)半ばで歩いてきた方を振り返りました。こうしてみると下ってるのがわかります。左上は岩手山頂。ドキドキもだいぶ落ち着いてきました。

ここではじめて軍手を出しました。最初の崖の所で出すべきでした。トレッキングポールも仕舞ったほうが良いです。出したり引っ込めたりしましたが仕舞いました。

気分転換に雫石を見ました。中央にあるのがスキー場でその奥が田沢湖かと思います。肉眼だと見えていたのですが写真だとちょっとわかりにくいですね。

まだまだ先が長い鬼ヶ城(おにがしろ)。右に見えるのが黒倉山(くろくらやま)でその先が姥倉山(うばくらやま)です。犬倉山(いぬくらやま)も見えますね🐶ワンワン

まだまだ岩場が続きそうですがだいぶ落ち着いてきました。

標高もだいぶ下がり御苗代湖(おなわしろこ)も近くに見えます。
私が鬼ヶ城(おにがしろ)コースを選んだのはアップダウンの少なさからでした。お花畑コースだとそれがあるので先が長い松川コースを完歩できるか不安でした。

赤倉岳(あかくらだけ)屏風尾根(びょうぶおね)が見えました。国土地理院の地図には登山路の記載がないのですが登山ルートはあるようです。

例年なら今の季節は紅葉が見頃なのですが残念ながら始まったばかりでした🍁

この日の天気予報は曇り。朝もでしたが下山中も雲が下界から上がってきていました。雨が降らないことを祈るのみです。

時間は8:30。再び休憩にしました。
山小屋泊ははじめてでしたが一泊するだけでだいぶ楽ですね。それでも肩の痛みは残っていてちょくちょく降ろしては回復させていました。腰ベルトは引き続きしっかり締めて。

ブリタ フィル&ゴー アクティブを水筒に持ってきました。湧き水を利用するので念の為その浄水も兼ねてです。便利ですね、これ。

黒倉山(くろくらやま)もだいぶ近くなってきました。時間は相変わらず1時間遅れ。熟慮した末に登頂はキャンセルして巻道を通り時短することにしました。それでも間に合うかわからなかったのですが。

ここで一旦一区切り。鬼ヶ城(おにがしろ)を無事抜けてあとは松川温泉目指すのみですが果たして!?
お読みいただきありがとうございました。つづきをお楽しみに!

2020年10月8日木曜日

【登山】岩手山登山 その5 山頂へ

山頂へ

右側の岩陰に山小屋が見えました。開けた場所には椅子とテーブルが多数あり、かつての賑わいの痕跡かと思います。登山が御趣味だった今上天皇陛下も登られてる山なのでその折に整備されたのかもしれません。ありがたや。

九合目不動平(ふどうだいら)避難小屋に着きました。事前に調べたので外観からすぐわかりました。階段があるのは積雪期にそこまで雪が積もるからです。山小屋ではなく避難小屋なので1年中利用できるようになっています。

ここに至るまでトイレは一切なし。協力金200円を集金箱に入れてお借りしました。そしてここに重いザックをデポ。デポとはデポジットの略で預けるという意味です。予定では八合目避難小屋にデポするはずでしたが往復がしんどくてココでしました。

室温は13℃。時間は15:10頃です。外気温はもっと低く寒かったのでここで上着を出して着ました。日没頃に山頂で夕日を眺めるつもりでしたが早めに登る事にしました。山頂付近は富士山と同じようだったので持ってきたゲーターもここで付けました。

岩手山頂へ続く登山路は岩と砂利だらけ。途中Y字路になっていてフラットな左側を登ったのですが大失敗。富士山で言う剣ヶ峰の馬の背のような道で一歩進むと半歩ずり下がるひどい砂利道でした。

岩手山薬師岳の山頂に着くと想像とは違っていました。富士山のような中央が窪んだ御釜を想像していたのですが、山あり谷ありで反対側が見渡せなかったです。

登り口から盛岡市が一望できました。朝はあそこに居たんですよね。幼少の頃から帰省して眺めていた岩手山の山頂にまさに今立っていると思うと感慨深いものがありました。

富士山とは異なる地蔵が立ち並ぶ光景。信仰が多い東北ならではかと思います。御釜西側の地蔵はお鉢中央を向いていたのでこの時は噴火抑止祈願(封印)で置かれたのだとばかり思っていました。アニメにありそうなシチュエーションですが。

ふと見ると山頂からも松川温泉の地熱発電所の煙が見えました。今まで何てことなく見ていたのですが、こうして見ると目印になって便利だと思いました。

時間は15:50分頃。日もだいぶ落ちてきて御釜中央に影を落としていました。静かに見えますが大地獄谷(おおじごくだに)や周辺の温泉地からもわかる通り活火山です。今この瞬間爆発するかもと思うと怖かったです。

岩手山薬師岳山頂がすぐそこに見えますがなかなかたどり着きません。もう一歩なんですけどね。目的地が見えていて足場も悪くないので安心感はありました。

焼走り(やきばしり)上坊(わんぼう)方面の分岐点です。東北自動車道西根インターチェンジそばの交差点から向かう登山路です。自動車で1度行ったことがありますが溶岩石だらけの場所でした。

分岐点そばに地蔵ではない獅子舞のような石像がありました。かつては胴体もあったような形跡がありましたが頭だけでした。様々な宗派が修験道で登ってきて設置したのでしょうね。

岩手山薬師岳登頂達成🙌

岩手山薬師岳山頂についに到着。すると下方から雲が立ち上ってきて思わずパシャリ📷
先に山頂標だろと思うのですが、自然現象はすぐに撮影しないと逃すので。

毎度恒例、ブログ限定自撮り写真です。
今回は以前購入してブログでもご紹介したXiaomi自撮り棒を持ってきたので三脚代わりにしてBluetoothシャッターで撮影しました。色々ポージングして取りましたが普通に立っている姿無難ですね。登山の格好はこんな感じです。ゲーターがチェック柄ならミニモニっぽいのですが。

自撮りを終えて一旦は山頂標に戻ったのですが振り返ると盛岡市が一望できました。自撮り棒三脚ではどうしても低くてほとんど空しか写ってないので撮り直すことにしました。

今度は盛岡市をバックに自撮り棒を持ってパシャリ📷
登山前半はスポーツマスクをしていましたが後半キツくて外しちゃいました。マスクしてたの私ぐらいでしたしね😷

岩手山薬師岳山頂は山頂標のすぐそばに本当の山頂である三角点があります。大切な目印なので踏んだり座ったりしてはいけません。記念にパシャリ📷

山頂で綺麗な景色を眺めながら持ってきた行動食 アサヒ 1本満足バー プロテインヨーグルトを頂きました。バーナーとクッカーで調理して食事するのも良かったのですが、寒くてそれどころじゃなかったです。暗くならないうちに山頂をあとにしました。

長年帰省で訪れてる地ですが、富士山のような影岩手山という単語は聞いたことがないんですよね。もちろんちゃんとあってこのような姿になります。森の中に開けた場所が見えますが自衛隊の演習場です。話には聞いていたのですが見るのは初めてでした。

岩手山頂の中央にあるこんもりした山のおかげでお鉢反対側は日が沈んで日陰に。余計に寒かったです。ある意味、予定していた夕日は見られたということにしました。

岩手山頂東側にも地蔵があったのですが、こちら側は外側に向いていました。ここでわかったのですが御来光の方角を向いていたようです。宿泊した八合目避難小屋で出会った人たちにこの話をしたらへぇをたくさん頂きました。富士山頂の神社もそうなのでわかったのですが。

残念ながら三陸海岸や海は雲で見ることができませんでしたが、この景色も悪くはなかったです。

お鉢を一周回ろうと思ったのですが、御釜の底に岩手山神社奥宮があるようだったので途中の分岐点から降りました。風雨や雪でもこのように形を保っているのはさすがの一言。噴火していない証拠でもあります。参拝させていただきました⛩️

神社前に大きな石柱がありました。
校旗樹立記念 昭和二年九月五日 暁天(ぎょうてん)樹立於山頂
 調べると石桜同窓会のサイトに資料がありました。戦前の旧制中学校時代の岩手中学校生徒が岩手山登頂達成した記念碑のようです。当時の装備や技術レベルで登ってきたのはスゴイです。

岩手山の御釜はそれほど深くはなく、富士山に例えると宝永山のような気分でした。標高2000m級なので草もそれなりに生えてます。

粘土状の地面もあるので雨や雪が降ると水たまりができるのでしょうね。だからこそ八合目避難小屋前に湧き水があるのでしょう。

八合目避難小屋へ

一周して再び登り口に戻ってきました。盛岡手づくり村つなぎ温泉がある御所湖(ごしょこ)が見えました。手づくり村は焼き立てのピーナッツ南部せんべいが食べられるので大好きです🍘

山頂からの下山は足場がしっかりした方から。やはりこちらのほうが歩きやすいです。ヒトによって得手不得手があるのでどちらが良いとは言えませんので、好みやその時の体力で選ぶと良いかと思います。

日没時間17:30頃に八合目避難小屋に到着。受付を済ませお土産も購入。利用案内をザックリ聞いてすぐに夕食の支度をはじめました。先客もそこそこいらっしゃったのですがお隣さんと話が合って一緒に食事の支度をしながら山談義に華が咲きました。

調理しながら寝床も準備。キャンプでも最初にやるのはテント張りと寝床準備です。マットの全長210cmなのですがスペースギリギリでした。私の身長はそんなにないですし寝袋もそれに合わせてMサイズ。たまたま安かったから買っただけなんですけどね。

業務スーパーで買ったトリュフリゾットを作りました。防災とコロナ自主隔離用に買い置きしていたものです。インスタントライスではないので炊き上げるのに時間がかかりましたがとても美味しかったです。2人前なので量が凄かったですが。
それと疲労回復を早める気付けに日本盛モンベルコラボの生原酒を持ってきたのでお猪口2杯程度頂きました🍶モンベル製品をお持ちの方だったのでネタにサイコーでした。
山小屋の消灯時間は20時。楽しいひとときもお開きに寝床に着きました。

ここで一旦一区切り。次回ははじめての山小屋泊を書きます。
お読み頂きありがとうございました。つづきをお楽しみに!