2017年7月16日日曜日

【富士山】過酷な下山

登ったら降りなくてはならない

7時間かけて登り、5時間30分山頂に滞在して御来光やお鉢巡りなどを満喫。そして、残るは下山です。
下山準備のため、お鉢巡りの帰りに再び戻った浅間大社富士山頂奥宮の前の広場で、着ていたダウンジャケットとレインウェアのズボンを脱いでザックに仕舞い、下山時の気温上昇に備えて登山スタート時の服装に戻しました。
下山ルートは、須走・吉田ルート。
お鉢巡りの時に見てイメージ出来ていたつもりでしたが、見た目とは裏腹にキツイ道でした。

延々と同じ風景の続く下り道

2017年7月10日8時30分に富士山頂須走口から下山スタート。
そこから、須走ルート・吉田ルートの分岐点まで40分かかりました。
延々と続く石と砂だらけの下り坂。とても滑りやすいので、着地したときの荷重のかけかたを間違えるとコケてしまいます。
トレッキングポール(ストック)を両手に持っていれば、それを支えに安定しやすい前傾姿勢を取りやすいのですが、今回は金剛棒1本なので、片手で全身を支えながらの前傾姿勢。とてもキツかったです。
そして、滑った時の対応を取りやすくするため、膝を少し曲げて腰を落とし、膝から下を上下出来る余力をもたせる事で、さらに安定して早く降りられます。ただ、それだけ太ももの筋肉も使うのですが。

吉田ルートへの分岐点を過ぎた当たりで山小屋が見えました。そして、下から登ってくる自衛隊員らしき姿が見えました。
前日も自衛隊の車両や隊員を富士スバルライン五合目で見かけましたが、翌日も訓練かなにかの作業かで登っているようでした。
ここまで来る途中で、何度か落石を見ました。一番大きいモノで人の頭ほどの石がゴロゴロと勢い良く落ちていきました。
あんなのに直撃されたらひとたまりもありません。ヘルメットの必要性をとても感じました。

足の疲労でスローダウン

徐々に来る足への疲労。足裏の皮膚への負担も心配でした。
そして、小石や砂が度々靴の中に入っては途中で脱いで取り除く事の繰り返し。
登りでは気にならなかった靴も、下りでは、やはりトレッキングブーツとスパッツが欲しかったです。
疲労コンパイで限界を感じつつあったので、歩幅を狭くして負担を減らし、スローペースならがも着実にバランスを取って安全に降りる作戦に変更。
そして、平たい折り返しの場所を見つけては休憩を入れたのですが、標高2800m付近から草花がチラホラ見えてきました。

山頂は生き物の気配を感じない、まるで死の世界のような場所でした。
そして、下山していくにつれ生き物の気配が再び戻ってくる風景。
富士山って、当たり前の日常を再認識させてくれる場所なんだなって、登山を通じて思いました。

はじめてのトイレ

下山開始から2時間ちょっと。7合目公衆トイレに到着しました。
山頂でトイレを済ませてから下山しようかと思ったのですが、300円だったので下山してからで良いだろうと思っていました。
ただ、下りが思いのほかキツく、予想より時間もかかり、おまけに8合目付近の山小屋で済まそうかと思ったら営業してる気配なし。
我慢の限界を感じつつ、ココが見えてから折り返しをカウントダウンして気を紛らわせながら下山。そして、ようやくたどり着きました。
トイレチップは200円でした。

急ぐ帰り道でも無かったので、ここでゆっくり休憩。
持ってきた2Lの水も、ココで最後のボトルへの移し替えをして空っぽになりました。
地面に携帯座布団を敷いて足を伸ばし、ふと見るとadidas PureBOOST ZGも真っ黒。
小石を出そうと脱ぐと、履いてる靴下も真っ黒でした。さすがに、それの写真はハバカラレルので撮らなかったのですが😅

ゴールへ向けてラストスパート

7合目から先は、折り返しのない延々と続く下り道。
途中、落石避けのシェルター道があったのですが、段差の高い階段通路になっていて、金剛棒を駆使して疲労こんぱいの足への負担を腕に分散しながら一歩一歩進みました。
そして、下山から3時間すぎにやっと6合目安全指導センターに到着。
ここで余裕があればこのまま吉田ルートを下山し、富士吉田市内のうどん屋さんで昼食をとり、電車かバスで帰るBプランがありました。
しかし、足にけっこう着ていたので、今回は無理せず当初の予定どおり富士スバルライン五合目をに戻ることにしました。

6合目安全指導センターから見える富士スバルライン五合目の建物。
近そうに見えて結構遠く、夜に通った時には気が付かなかった石畳が思いのほか滑りやすく、よくこんな道歩いて来たよなぁと我ながら関心しちゃいました。

来る時には真っ暗で見えなかった森も、下山時にははっきり見えました。
とても綺麗でしたが、虫が多くて金剛棒振り回して追っ払いながら歩いてました。
アブの仲間やハチモドキの仲間っぽい虫が多く、刺したりはしなさそうでしたが確証が無かったので追っ払ってました。
国立公園なので出来ませんが、こういう森でブッシュクラフトしたら楽しそうですよね。

ついにゴール!

富士スバルライン五合目に戻ってきました。
時刻は12時20分。下山開始から約3時間20分。ほぼ想定時間どおりの下山となりました。
とにかく、トレッキングブーツとスパッツが欲しかった下山道中でした。

帰宅するまでが登山です。
富士スバルライン五合目から自宅のある春日部までは、まだまだ長い道のりがあります。
平日なので、時間帯によっては帰宅ラッシュに巻き込まれ、電車はずーっと立ちっぱなしになる可能性もありました。
そのため、持ってきた秋田名物 山口製菓店のアンドーナツを食べて最後の栄養補給しました。

持ってきたモバイルバッテリーも残りわずか。バス停の所でも乗車券買えるようでしたが、ネットから買って決済したほうが僅かに安かったので、スマホのバッテリーを温存しながら手続き完了。
疲労コンパイだったので、バスも一番早い便にして、お土産屋見物も早々に帰路に着きました。

ということで、富士山登山のお話はコレで全て終了です。
次は、富士山登山の後日談やまとめ、触れなかったネタとか書きたいと思います。
お読み頂きありがとうございました。また次回もお楽しみに!

2017年7月15日土曜日

【富士山】山頂でお鉢巡りからの真の登頂へ

御来光

2017年7月10日3時10分、無事富士山登頂成功を果した私に、更なる試練が待ち構えていました。寒さとの戦いが。

日の出時刻4時30分頃。気象庁の観測データで、登頂した3時時点で気温3℃ 湿度45%
場所取りのため、山口屋の前の木の台の所でザックを下ろして待機していたのですが、4時頃に体調に異変を感じ始めました。夜通し登山による疲労と寝不足。さらに運動後に起こる安静期による血圧心拍数低下。その結果起きたのが吐き気でした。

吐き気を誤魔化すため、最後のパックササミを食べたり水分摂ったりしたのですがダメで、最終手段として寝ることにしました。
上着とダウンジャケットのフードをかぶってしっかり閉じ、さらに冷たい風が入り込まないように下を向いて丸くなり目を閉じました。
起きたのは日の出直前の4時20分過ぎ。時計を見るとちょうど御来光カウントダウンの頃でした。
吐き気もこの頃ピークに達し、寒さが追い打ちをかけてガクガクブルブル。体を温めるための自然な反応なので、恥ずかしがらず思う存分ガクブルさせて体を温めました。

御来光まであと数分というとこで挫けそうになり、暖かそうなすぐ裏にあった山口屋に避難しようと思いましたが、気合と根性で乗り切り、ついに御来光が

御来光アメージング!🌄

とても綺麗でした。頑張ってシャッターを切りました。でも、吐き気最悪。
Twitterの更新が滞り気味だったのもその為で、何とか御来光の写真をアップするので精一杯でした。

御来光🌄をいつまで眺めるか。
吐き気との戦いもあったので、昇りきった35分頃に早々離脱しました。

沈む満月🌕に手を合わせ感謝

吐き気のため、御来光🌄も早々に撤収したのですが、ザックを背負って歩きだしたら少し良くなってきたので、回復を期待してお鉢巡りをすることにしました。
山小屋群を抜けて須走口からお鉢(火口)を見てみようと向かった所、そこでまさかの満月🌕お月さんが。
富士山の御来光は有名ですが、同時に沈むお月さんを眺めるというのはあまり聞かない話です。
御来光を拝むための私の夜登山を、夜道を照らし見守り続けてくれたお月さん。忘れかけてた感謝の気持ちを思い出しました。
これだけ天気の良い日は珍しいらしく、本当に天にも地にも助けられて達成出来た富士山登頂でした。
大自然にありがとう

お鉢巡り開始!

残雪残る2017年7月10日朝の富士山頂。日本一の山だけに、その火口もダイナミックでした。
綺麗に火口が見られる山自体珍しいので、しばらく見入りながら周辺を散策していました。
というか、お鉢巡りのための道がわからなくて探していたというのが正解でしたが😅

成就岳を登りながら周りをキョロキョリ見ていると、外側に登山路らしき道を発見。
少し降りてそちらの道へ向かいました。
途中、下山する時に通る須走ルートが見えました。登山中にTwitterでココの話しもうかがっていたので、下るのが楽しみでした。

遠くに湖が見えました。この時てっきりこれが河口湖だとばかり思っていたのですが、調べてみると山中湖でした。
その周囲に広がる緑とは対象的に、富士山のゴツゴツした岩ダラケの山肌。

眼下には、朝日に照らされた雲海が広がっています。
普段地上から見ていたあの富士山の山頂から、逆に見下ろしている自分の姿を想像すると、なにか不思議な感じがしました。

歩けど歩けど、山頂にあるのは岩と石だらけ。動植物の気配もありません。人が生活を営む地表とは異質の世界。
だからこそ、自分が生きているという実感と不安がココでは感じられるのかもしれません

温かいコーヒーとグラノーラバーで朝食を

お鉢巡りをしているとパッと開けた場所に出ました。
そしてそこには、栗山國雄君殉職碑と富士無線中継所記念碑がありました。伊豆岳と朝日岳のちょうど間の開けた所です。
この日は、天気も良く風も弱かったので、ココで軽く食事をとることにしました。

座るのに良さそうな岩を見つけ、ザックを下ろして携帯座布団を敷いて腰を下ろしました。
荷物を解き、中からガス缶 イワタニ IP-110を取り出し、チタンバーナー BRS-3000Tを直結。ライターで試しに着火したら炎は見えなかったものの、手をかざすと炎の暖かさを感じたので使えると判断しました。
シェラカップ ユニフレーム UFシェラカップ 300 チタンに家から持参した水を注ぎ入れ蓋をしてお湯を沸かし始めました。

富士山頂の高度から標準気圧で計算すると、水の沸騰温度は87℃だそうです。
ガスバーナーの炎の熱で暖を取りながら、目の前に広がる景色を眺めていたらあっという間にお湯が沸きました。

ネスカフェ ゴールドブレンド コク深ラテ ダークでコーヒーを淹れました。
そして、ネイチャーバレー クランチグラノーラバー ココナッツクランチで朝食です。

この朝食に救われました。
登頂直後から苦しめられてきた吐き気が、この朝食を境にピタリと止まりました。
理由はどうあれ、この朝食がもたらした幸運が、この後の出来事に幸運をもたらしてくれた事は間違いありません。

お鉢巡りをしてる最中、度々道案内標識を見かけたのですが、なぜか浅間大社富士山頂奥宮の矢印が進行方向の先にありました。
実は、この時点でまだ富士山頂の建物の位置関係を把握しておらず、私はてっきり吉田ルートから登りきったところにあった神社がそれだとばかり思っていました。
そして、辿り着いたのが正真正銘の浅間大社富士山頂奥宮
改修工事後初となるこの日、真新しさがとても新鮮でした。

すぐ隣に、この日から開局となった富士山頂郵便局が6時前から開いていて、すでに行列が出来ていました。
ここで限定かもめ~る2セット買って5通書き、オリジナルDECOチョコも購入しました。

書いたかもめ~るは、郵便局すぐワキのポストへ投函。
色が赤ではなく茶色だったのですが、後に調べたところ世界遺産登録時の景観配慮のために塗り直したのだそうです。
私が思うに、ポストにも色にも歴史があり人類の文化遺産の1つだと思います。ですから、塗り直すのではなく、郵便という1文化としてそこに存在していて欲しいと切に願います。

富士山頂郵便局でハガキを書いて出したあと、浅間大社富士山頂奥宮を参拝して御朱印をいただきました。
これで一応、登山前に考えていた目標、御来光神社参拝郵便局の3つを達成する事が出来ました。

郵便局裏の水たまりに薄氷が張ってたので写真を取ったのですが、このしろ池という名前が付いてるそうです。そういえば、水場ってここぐらいかも?
あとは残雪解かして飲料水確保するしか方法ないかもしれません。もちろん簡易浄水器必要ですが。

真の登頂 剣ヶ峰

このしろ池の先に何か建物が見えました。そういえば、昔富士山レーダーという気象レーダーがあったような。多分それの跡かな?と思いながら、なんかみんな向かっているので、私もそれについていってみることにしました。
コレがまたハード登山でして、登り坂は砂地で普通の靴では登れず、途中で滑ってコケて降参。
外側の絶壁スレスレの場所が岩場で足場が良かったので、皆そこの柵を手すり代わりに掴んで登ってました。
以前は、土嚢が坂に敷かれていた跡がありましたが、今はそれがすべて無くてボロボロの袋の繊維だけが転がっていました。

やっとの事で登りきり、よくわからないまま進むと電子基準点と書かれた石碑と柱がありました。
国土地理院が設置した日本最高地点の電子基準点なんだそうで、測量基準点として使われてるそうです。
この先にも通路らしきものがあったのですが、ロープが張られて通行止めに。お鉢巡りはもしかしてココで終わり?

引き返し、途中で人が群がってる石柱を見つけたのでふと見るとまさかの!

日本最高峰富士山剣ヶ峰

危うく素通りしてしまう所でした。つまり、ココが真の富士山登頂達成地点だったのです。
お鉢巡りは予定に入れていたのですが、この剣ヶ峰が最高地点で訪れようという予定や知識はここに来るまで頭に無くて、この1枚の写真が撮れたのもラッキーでした。

先に進めなかったので、再び難所の坂を慎重に下りおりました。
そして、そこでロープで通行止めにされていた理由がわかりました。
お鉢巡りと言われるだけあって、本来なら1周まわれるのですが、残雪の影響で通行止めになっているようでした。
一見すると通れそうにも見えますが、道が狭くて人の往来は危険。万が一雪が崩れれば火口へ真っ逆さまの大惨事です。
また、白山岳の所は更に多くの残雪の見られたので、通行が困難なのでしょう。

パノラマ写真も撮りました。
剣ヶ峰から浅間大社富士山頂奥宮へ坂を下った所で撮影しました。
富士宮ルートへ向かう下山ルートの付近から富士市方面に向かって撮った写真です。

このしろ池へ戻る途中で火口方向で撮影したパノラマ写真。正面が白山岳ですが、残雪が残っているのがわかるかと思います。

このしろ池の反対側にも残雪が残っていたのですが、戻るとそこで遊んでる人たちがいました。
私もズボンはレインウェアだったので、一緒に滑って遊んじゃおうかな?と思いましたが、トラブル起きてもこの後が困るので、今回はやめておきました。

成就岳まで戻ってくると、そこから神社と山小屋群が一望できました。
事前に見た写真とイメージが違っていて、もっと開けた場所に建っているのだとばかり思っていました。しかし、実際は山頂の貴重な平地部分に密集して建っていて、おそらく御来光などの方角関係なんかもあるのでしょう。
富士山は歴史が古く、一般人の登山が盛んになったのは江戸時代の頃からと言われているそうです。
現代人のなぜどうして?があるとは思いますが、おそらくそうした歴史の積み重ねで今の姿があるのでしょう。

久須志神社で御朱印をいただき、山小屋でお土産を物色。
そして、下山に備えて再び腹ごしらえ。持ってきたランチョンミートを食べるも1缶分食べきれず、結局半分残し下山後翌日残りを焼いて食べました。

そして、パインアメを舐めるも再び噛み砕いてしまい、富士山登頂達成の高揚感に浸りながらの山頂満喫の散歩は終わりました。

お家に帰るまでが登山。次は下山の話を書きたいと思います。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
次回をお楽しみに!

2017年7月14日金曜日

【富士山】いざ登山へ

どっぷり日も暮れ、いざ登山へ

富士スバルライン五合目の休憩所で、登山前のカーボローディングと装備の確認。そしてヘッドランプ ThruNite TH20の装備。
それら準備を済ませ、登山予定時間2017年7月9日20時になるのをじっと待っていました。
2017年7月10日の日の出時刻は4時30分頃。吉田ルートの登りにかかる目安時間は6時間10分。逆算すると22時10分にスタートすれば良いことになります。
ただ、はじめてということと、途中でバテて休憩したら取り返しがつかなくなるので余裕をとりました。

最も月夜に照らされるこの日を選びました

2017年7月9日は満月🌕です。そして、月の出18時46分、月の入4時44分。だから、夜通し登山してもそこそこ明るい日です。
天候も大切で、この日の天気予報は晴れ☀️
富士山登山には自分の力が必要ですが、天と地を見方に付ける事もとても登頂成功の鍵です。

登山予定時間2017年7月9日20時に富士スバルライン五合目の休憩所を出発しました。
綺麗な月を愛でながら、ヘッドランプの灯りを頼りに一歩一歩進みます。

富士吉田市の灯りも綺麗でした。人工的な明かりのある街とはまったく真逆の、自分のヘッドライトと月明かりのみが頼りの登山道。
明るくなった帰りに、どんな景色が広がるのか想像しながら、今はとにかく一歩一歩道なりに歩いていけばそのうち着くだろうという気持ちだけで進みました。

6合目安全指導センター到着。ここからが登山本番。

安全指導センターで吉田ルートの地図をいただき、さらに進むと吉田ルートに合流します。
Twitterでは書かなかった大事件がココで起きます。

ルート間違えた😱

ここは吉田ルートと須走ルートが合流する地点なのですが、地図上に存在しないもう1つのルートがあります。それは荷物運搬用登山路。
登り続けたものの、誰も来ないしヘッドランプの灯りも右側にある別のルートらしき所にちらほら見えるしで、何かおかしいと思っていました。
スマホのGoogle Mapsを頼りに復帰出来ないか道を探し出し、何とか本来の吉田ルートに戻ることができました。

夜でも押せた焼印

山小屋は21時頃には消灯すると聞いていたので、持ってきた金剛棒への押印は山頂で10日に開山する浅間大社のみのつもりでした。
最初に通った初の富士山山小屋 7合目花小屋で明かりが付いていて人もいたので伺った所、焼印を押していただけるとの事でした。
すべて押印すると良いお値段になるので迷ったのですが、そう何度も来られる場所ではないので腹をくくって押せる所はすべて押していただく事にしました。
何度か金剛棒の味のある色合い(古さ)について聞かれたのですが、コレは以前家族が富士山登山チャレンジしたものの途中リタイヤして持ち帰ってきて、その再チャレンジの意味を込めて使っていますと伝えるとみんな応援してくださいました。
行き交う人も年季の入った金剛棒をちらほら見られてました。

なお、ネットで事前確認していた焼印代とは違ってて、200~500円と山小屋によってバラツキがあります。また、同じ山小屋でも焼印が複数ある場合もあるので確認したほうが良いです。

8合目太子館で時間調整するも凍える寒さ

8合目太子館に22時過ぎに到着。スタートから2時間です。
7合目花小屋の方からもペースが早いと言われていて、金剛棒の代わりにコレどうだい?と極太の白樺の丸太を半分冗談半分本気で渡されそうに。安くしとくよ!と。タダじゃないのかよ!(笑)
登山ペースが早いとのご指摘を受けこのままでは早く着きすぎてしまう懸念と、登れば登るほど寒くなって時間潰しに向かないと思ったので、ココで調整する事にしました。

音楽を聞きながら、タダじっと時が経つのを待っていたのですが、風が吹きはじめ体も安静期に入ってしまい冷えてきました。
ここで上着を一旦脱ぎ、フリースモックネックTをTシャツの上に着て、その上から上着を着たもののまだ寒いので、さらにダウンジャケットを。
今度は下半身が冷えるのですが、防寒ズボンは荷物が入りきらずに家に置いてきてしまったため、最終手段のレインウェアのズボンを履きました。
それでも体が震えだしたので、エネルギーを補給するために食事をはじめました。
何気に買って持ってきたササミがとても美味しく、スパイスの刺激が体を温めてくれてとても良かったです。

富士スバルライン五合目では異変の無かったミヤタのヤングドーナツが8合目でパンパンに膨らんでました。
もう1つ持ってきたチョコ味のほうは膨らんでませんでした。同じドーナツでも差があるんだなぁと不思議な感じでした。
このドーナツもココで食べてカーボローディングしました。

午前0時に8合目太子館出発

寒さに耐えるのも限界を感じてきて、そろそろ体を動かして温めながらゆっくり登ろうということで、日付が変わった2017年7月10日午前0時8合目太子館を出発。
そして富士山ホテル第一に1時30分ごろ到着。高山病を気にして体調を見ながら、適宜ベルトのボトルを取り出して飲みながらエッチラオッチラ。
持ってきたパインアメも、ポッケから出して舐めてはガリガリ噛み砕いてしまってすぐに食べきってました😅

ずーっと岩場のルート探しで下ばかり見て這い上がって来たのですが、ふと空を見上げると綺麗な満月のお月さんが見えました。
一瞬山小屋のライトと見間違えるぐらいの明るいお月さんで、天から登山を応援してくれてるようにも感じました。
些細なトラブルはあったものの、ほんとに天も地も、そしてTwitterで夜中にも関わらず返信やいいねしてくださった方々も、私の富士山初登山を応援してくれてるなって実感しました。

残雪アメージング!
7月にまさか雪を見られるとは思ってもみませんでした。
雪だるまでも作っちゃおうかな?とか思ったりもしたのですが、おふざけして失敗したら台無しなので、自重して真剣に登りました。
それでも、独り言ブツブツ言いながら、ヒャッハーしてる変なオジサンでしたが(笑)

ついにゴールが見えてきた!

9合目迎久須志神社の祠らしき場所が見えたものの、その前に座り込んでる人がいて満員。私がそこに加わると登山道塞いで邪魔になりそうでしたし、相変わらずヒャッハー独り言で楽しんでるぐらい気力体力十分だったので、写真も撮らずひたすら登り続けました。
すると、今度は狛犬と立派な鳥居が絶壁に現れたので写真をパシャリ・・・だけど真っ暗だしピンぼけ😞
ここって、もしかして、もうすぐゴール?山頂??と暗がりでさっぱり現在位置わからないまま再び登り続けました。

ついに富士山山頂着いた!!

深夜で真っ暗な中、現在地もよくわからずただひたすら登り続けました。
狛犬のいた鳥居を抜け、人工的な階段を登り、何やら平地の場所に出て、暗がりのなかココどこだろう?とキョロキョリしながら半信半疑。

ふと小屋の前にあった石柱を見ると富士山頂浅間大社奥宮が見え、そこではじめて富士山登頂成功の実感を得ました。

時間は3時10分頃。2017年7月9日20時に富士スバルライン五合目を出発してから7時間後の事でした。
途中2時間の時間調整を入れたので実質5時間。さらに各山小屋の前で体が冷えない程度に数十分の時間調整入れながらだったので、それも差し引くと実質登山時間はもっと短かったと思います。
山小屋のサポート無しで必要なモノをすべてザックに詰め、重さ9kgを担いで初富士山登山。そして、通称弾丸登山と呼ばれる夜通し登り続ける登山スケジュールでした。

無事に富士山登頂達成できた所で、今回のお話は終わり。
富士山登山のお話はまだまだ続きます。これからが本番と言っても過言ではありません!
お読み頂きありがとうございました。また次回もお楽しみに!