2021年10月21日木曜日

【登山】北岳登山 その4 悪夢のオーバーナイト

北岳山荘へ

トラバース道を抜け険しい道は終わり。それでも滑落しそうな場所はありましたが。疲れ切った体が安息を求めて山小屋目指して勝手に動いてくれます。

ここはもしやライチョウさんスポット!?・・・と思ったら違いました。植生保護柵でした。生息するニホンジカが食べてしまうようでキタダケソウを守るために設置されてるそうです。6月下旬~7月上旬が開花時期なので残念ながら花は見られませんでした。

ここを下れば北岳山荘です。疲労も極限でしたが滑りやすい下り道はより慎重に。

16時。ついにこの日のゴールの北岳山荘に到着しました\(^o^)/
建物群の内側に玄関口があり、北岳方面からだとテント場とトイレの別棟を通った先に玄関があります。診療所も別棟になってました。

入口は二重扉になっていて、1つ目の扉の先にコロナ対策の消毒液と検温機がありました。そして気象情報と日の出日の入り時間。チェックインも無事完了。南ぷすリザーブで予約するとQRコードが発行されるのでその準備が必要です。15時までの理由を伺ったところ、万が一遭難だった場合にそれを過ぎると日暮れの関係で捜索が出来なくなるからとの事でした。

チェックイン時に札を貰うのでそれを持ってテント場へ。何箇所かあるのですが、初登山テント泊ということで日の出が眺めやすそうな場所を選びました。これがまさかの仇となり、アウトドア人生で最悪の一晩になろうとは想像もしていませんでした。

風が強かったのでテントの土間で食事を作りました。棒ラーメンです。具は真空パックのセットを使い薬味は乾燥わけぎ。あと風味づけに海苔。とても美味しかったです🍜

落ち着いたところでお土産を買いに外に出たところ、うっすらと富士山が見えました。日の入りから30分以上経っていましたが地平線の彼方は薄明るかったです。

風が強いおかげで雲ひとつ無い夜空。真っ暗なので星もたくさん見えました。肉眼だとほんとにすごくて月も綺麗だったんですけどね。星空撮影はスマホの限界を感じます。

ふと自販機を見ていたら妙な事に気づきました。清涼飲料水とアルコール飲料がほぼ同じ値段。さぁ、貴方ならどっちを買う?
私なら多分ビールを買います🍻

持ってきた日本酒 日本盛 モンベルコラボ 生原酒 大吟醸で気付けです。これ1本は飲まずお猪口1杯程度なんですけどね。つまみに持ってきた魚肉ソーセージ マルハニチロ 銚子産いわしを使ったお魚ソーセージを食べながら。

19時のテント内の気温13℃湿度27%気圧729hPa。高度2878m。国土地理院の地図では2870mのようです。寝袋はAEGISMAX G3を持ってきたので防寒着なしでもホカホカでした。

軽く酔い始めたところで寝袋に潜って就寝。時間は19時です。強風でテントがバタバタ音を立てて迷惑かな?と思いました。また補強でペグダウンやロープを張ったところに石もたくさん置きました。でもダメでした。テント生地のバタつきで突っ張りのトレッキングポールが外れて崩壊。何度か修復を試み形を保っていましたが最後はロープが外れて修復不能に。最終手段で潰れたまま石をテント生地に乗せて飛ばないようにしその中に潜ってシェルターとして一夜を過ごしました。

悪夢のオーバーナイト

強風によるテント崩壊をどうにか耐え朝4時に起床。ほとんど寝られませんでした。ただ目をつぶり内側からテントを手で持って押さえ体を休めるので精一杯。マットや寝袋はとにかくザックに仕舞える状態にするので精一杯で詰めるだけ詰めました。最後テントとグランドシートは畳むことが出来ないのでとりあえず丸めてザックのアウターに括り付け、打ち込んだペグ6本はどうにか回収。山小屋前のベンチをお借りし強風の中どうにか畳んでザックに仕舞いました。予定では荷物を置いて間ノ岳にアタックでしたが、キャンセルして北岳経由で下山することにしました。とにかく安全に1分でも早く。

早朝4時30過ぎ。気温7℃湿度53%気圧725hPa。GPS気象観測記録装置は一晩越えてくれました。昨夜バッテリーチェックしたところ18650 Li-ion電池1本を使い切り、残り1本は約半分。2本でほぼ1日もつみたいです。深夜のうちに空の1本だけ充電済みと交換しました。

日の出前の朝5時前に出発。まだ暗いのでヘッドランプ装備でした。
遠くを見ると朝焼けに浮かぶ綺麗な富士山🗻
それを見たら一夜の悪夢が吹っ飛びました。

間ノ岳と富士山。残念ながら登れませんでしたが、いつか登ってみたいです。

北岳山荘から北岳山頂までは並走する2つのルートがあるのですが、途中まで登ってきた時と同じルートを通りトラバース道の分岐点で稜線方面へ。経験があり負担が少ない事がハッキリしていたための選択でした。

途中まで着ていたダウンジャケットと防寒ズボンはここで脱いで仕舞いました。気温10℃以下なのはわかっていたのですが動き始めたら暑く、体力少ない状態で少しでもストレスフリーでやり過ごしたいためでした。

広河原方面からは見えなかった中央アルプス 木曽山脈が見えました。

朝5時40分過ぎ。遠く彼方に朝日が昇ってきました。そして富士山。御来光です。

そしてこれから登る北岳と朝日。強風の分、天気には恵まれました。最悪でしたけどね。

中白根沢ノ頭も朝焼けで真っ赤です。

北岳山頂へ至る道。上の中央左がそれです。岩手山鬼ヶ城を思い出すヤバさしか感じませんでした。

朝6時。朝日がオレンジ色になり雲海もハッキリ見え富士山をよりいっそう引き立てます🗻
かつて、私は富士山頂からこちらを見ていました。今は反対から見ています。感無量でした。

吊尾根分岐点までやってきました。八本歯のコルからトラバース道ではなくそのまま登ると着く場所です。

山頂付近に見えた土留と思わしきところまでやってきました。すべてが道というわけではなく一部です。

北岳山荘から北岳山頂へ向かう道で多分一番危険な場所がココだと思います。細い道のトラバース道。鎖は持って支えるためのものですが、支柱から鎖で伸びてるのでバランスが取りにくかったです。

バットレスの真上当たりまで着ました。向こう側がどうなっているのかちょっと興味ありますよね?

歩いているとここだけ木がありませんでした。ロッククライミングのルートはわかりませんが、以前動画で見た時はこんな場所から登っていたので多分ここだろうと思います。私もいつかは・・・登りたくないですね😅

さぁ、北岳山頂は目の前です!

ここで一旦一区切り。次回は北岳登頂達成のお話です。お楽しみに!

2021年10月20日水曜日

【登山】北岳登山 その3 地獄の左俣コース

地獄の左俣コース

大樺沢(おおかんばざわ) 二俣に着きました。予定していた大樺沢のみで登るとトイレが山頂まで無いので仮設トイレが設置されてると思われます。 相変わらずわかりにくい登山道。写真左側の縁の道が正解で右の沢ではありません。

国土地理院の地図と見比べると左が正解とわかります。沢の石ころは等高線の間の点々です。あちこちにあるのがわかります。

山頂付近は雲がかかって視界不良のガス状態。登山路もよくわからず歩きやすい岩の上を歩いていたら右側の縁に道っぽいのを見つけ下山者はそこを歩いてました。何とか復帰して私もそこを歩き始めたのですが、とにかくわかりにくい場所です。

ガスがどんどん濃くなりまったく先が見えません。目標物が視認できない登山は遭難の危険が高まります。夜登山慣れしてるせいか楽しんではいたのですが。

えっちらおっちら、どこを歩いてるかもわからず1時間登りました。相変わらずわかりにくい登山路。スマホメイン機Lenovo Z6 Proのバッテリー残量が20%を切ったのでモバイルバッテリーで充電し、写真撮影はサブ機OPPO A5 2020ですることにしました。ケーブル繋いだまま使うのは邪魔なので。

13時30分。ついにハシゴ場までやってきました。計画書では北岳山荘に到着してる時刻。チェックイン目安も15時まで。体調は平気なもののペースを上げる余裕はないので、とにかく事故だけ気をつけて登りました。斜度的にはロッククライミングに近い場所。緊張の連続でした。

八本歯のコル

コルとは山の尾根の峰と峰の間の低くなった部分の事。ハシゴを登っている最中に熊鈴の音がずーっと聞こえていて気になっていたのですが、ボーコン沢ノ頭のほうに人影が。先に行ってもらおうと下で待ってて挨拶したら、変なところからだったので驚かれお互い笑っちゃいました。

合流地点左に見えたのがボーコン沢ノ頭。相変わらずハシゴが見えて険しそうな道。綺麗なんですけどね。この先の標高2000mまで下った付近に無人の池山小屋があるようです。

道標の文字が読めなくて近寄って見ましたがやっぱり読みにくい。

まだまだ続くハシゴ場。何が怖いってここに至るまでに相当体力を消耗しているので、ちょっとでも気を抜くとバランス崩して転倒滑落の危険と隣り合わせ。15kgのザックの重さが腰と肩に乗り重心も普段より少し前にあるので大変です。

14時30分。もう完全にチェックイン15時には間に合いません。予定では現地着後にテント張って荷物置いて間ノ岳向かう予定でしたが、そんな余裕皆無なのでとにかく北岳山荘到着だけを考えてひたすら歩きました。

雲の切れ間から見える崖。スマホを落としたら終わるなぁと持つ手が緊張しながら撮影していました。

まさに絶壁。左側に目印がある通り登山道です、ハイ。地殻が隆起して出来た山なので森林限界を超え土が無い高い場所は砕かれた大岩が積み重なってるだけ。うっかり足を踏み外すと隙間に落ちる危険な場所。スマホ落としたらやっぱりココも終わります。怖い。

遠い遠い北岳山荘

八本歯のコルを抜けてようやくこの日の最高地点3000mのトラバース道まで着ました。時間は15時。チェックイン目安時間オワタ\(^o^)/

雲を抜けて見晴らしが良くなったので、開き直って休憩がてら景色を眺めました。

まさかの奇跡が起こりました!遠くに富士山が見えたのです🗻
雲海も雲海、荒波の雲の海の向こうに浮かんでいました。スゲー\(^o^)/

ふと見ると間ノ岳も見えたので一緒に撮影しようとしたら収まりません。OPPO A5 2020の限界を感じました。

ふと充電中のLenovo Z6 Proを思い出して見たら電池90%以上。フィリップスさすが👍
広角モードで撮影したら普通に収まりました。ほんとこれ便利です📷

10分ほど休憩して登山再開。怖い怖いトラバース道の現実に引き戻されました。もう疲れて果てて笑いしか出ませんでした。

雲の切れ間から北岳山荘が見えました。はるか彼方に。

後ろを振り返ると歩いてきたトラバース道。ここを引き返せと言われてももう無理です。

ここで一旦一区切り。次回は悪夢のオーバーナイトのお話です。お楽しみに!